昨夜、北条コミュニティーセンター3階にて、松山市長と北条地区の住民約100名がまちづくりについて直接対話をするタウンミーティングが行われました。
挙手をして指名された人から、市長に質問をして市長と担当部長に答えていただきます。
僕は「北条鹿島の風早社中」の代表として3つの質問を用意して参加したのですが、幸運にも一番最初に指名して頂きました。
昨夜の質問をそのまま以下に記載します。
質問Q. ます、北条出身の市長が誕生して、我々住民は頼もしく思っております。愛媛県内外の、北条と鹿島が大好きな有志、現在会員約80名の団体、NPO「北条鹿島の風早社中」の代表、藤田と申します。
鹿島は「男はつらいよ」でお馴染みの俳優 渥美清さんが日本で最も好きだった場所です。そんな鹿島をこのまま放っておくのは地元北条のためにも松山のためにももったいない。地元の方々やたくさんの観光客の皆さんに鹿島を訪れてもらってその魅力を全国に発信していきたいと思っているのですが、現状では民間だけでやるには無理なことがたくさんあります。
そこで今日はしぼって3つのお願いと質問がございます。
*一つ目は、鹿島のフェリー料金と駐車場料金の値下げのお願いです。現在大人が300円、駐車場料金が一台610円かかります。二人の子供を連れて家族で鹿島によると1520円もかかってしまいます。これではちょいと寄るには寄りにくい場所です。また、地元の方が毎日散歩コースに行ける料金でもありません。せめて往復で100円程度にしていただいて、地元のボランティア清掃に行く団体や個人の方々には優遇措置を設けてもらうようにして、地元の人が日常的に行ける場所として鹿島の新陳代謝をよくすることが一番の活性化になると思います。
市長A. 鹿島のフェリーに関する年間の収支、支出が3700万円、収入が780万円+駐車場料金収入230万円=1110万円。約2600万円の赤字ですが、何もしないよりは何かしてみないとわからないので、料金と駐車料金の見直しを現在担当者に指示して実験的に値下げをする予定にしています。
質問Q. *時間がもったいないので二つ目と三つ目の質問をまとめてちょっと早口で質問させていただきます。二つ目は通行禁止となっている鹿島の市道の問題を始めとする規制緩和のお願いです。鹿島周辺で聞いた何人かの住民の声をまとめました。
「北条市時代は役所はなにも言わず普通に通行していた鹿島の市道なのに、合併後通行禁止の看板が立てられたのは、神経質すぎる判断ではなかったか。砂を除けただけで充分今のままで通行できる。この10年以上、強い雨風台風でも落石して道がふさがれたりする事故がなかった鹿島の市道がもし危険だというのならば、たくさんの観光客が訪れていたのに大雨で全壊した愚陀仏庵は何だったのか?
修復しなければ通ってはいけないというのならば早くどうにか修復をして欲しい。*どこまで修復をすればいいのか?修復金額など住民には見当が付かない。」などの意見がありました。三つ目は、鹿島に渡っても店が開いてないでは困ります。現在鹿島には一年中空いているお店がありません。鹿島の空き店舗対策を早急に手を打っていただきたい。先日、寒い朝に鹿島に散歩に行ったときに、もしお店から白い煙が出ててコーヒーの匂いなんかがしているお店が一軒でもあれば、島の雰囲気が全然違うんだけどなあ〜と思いました。鹿島の空き店舗をうまく利用し、個性的なお店が出来れば絶対に人の流れは変わると思います。
市長A. まず、鹿島の市道の件ですが、現状は通行止めを解除するのは難しい状態です。愛媛大学の教授の調査に寄れば、鹿島の北西部の地質はマサ化(気温の差により岩石表面で膨張と収縮を繰り返すと,鉱物種ごとに膨脹率が異なるために鉱物粒の間でひずみを生じてバラバラにナリ粗い砂粒を形成する)しやすい地盤で風化を止められないそうです。修復工事をするとなると費用は安い方式で2億2600万円、高い方式で3億8000万円かかるそうです。松山市の財政事情からそこまでのお金は今は費やせません。北西部には水晶が浜など美しい場所がありますが、遊覧船を出して鹿島を一周するというアイデアもあるので希望は捨てないでやれることからやっていきましょう。
質問Q. 今の回答は、「鹿島の通行は今のところあきらめろ」と、鹿島は手放せということでしょうか?
市長A. 「いや、やれることからやっていきましょう。」
(鹿島の出店に関しては、担当部長さんから、「もし出店希望者がいれば検討しますので松山市にご連絡ください」との回答がございました。)
その後、90分の制限時間内にたくさんの皆さんから挙手があり、
Q.「現在民間業者に委託しているフェリー乗り場と鹿島の清掃業務を、地元のまちづくり協議会やNPOにまかせてくれないか?」
市長A. 長く持続してきちんと業務を任せられる能力がある団体かどうかの査定はさせていただきますが、可能です。
Q.「北条が重要な場所になると思っていただいているならば、JR北条駅前から鹿島フェリー乗り場までを松山市まちづくり特区として重点的に手を入れていただけないか?」
Q.「JR北条駅前に松山市役所北条支所を移動させれば、駅前がにぎわい人の流れが変わるのでは?駅前で日曜市をやるものいい」
Q.「夢のような話だが、水族館を北条に作ってもらえれば、砥部の動物園との地域バランスもとれる」
など、積極的に地域の課題に関する意見、提言があり、今後住民と行政がどのような役割分担でまちづくりを進めていけるかについて話し合いました。
挙手をしている方、まだまだいらっしゃいましたが、終わりの時間が来てしまい、最後に市長の感想と挨拶の時、
市長「今日のミーティングで、心に引っかかってた言葉が一つあります。最初の質問の時に藤田さんがおっしゃった言葉で、鹿島はあきらめろ、手放せということでしょうか?という言葉です。私はあきらめていません」と。
ありがとうございます!その言葉、皆信じてますよ。昨夜の住民の声を今後の松山市の政策により多く活かしていただければ有り難いです。
前市長の時からそう思っていましたが、市民と市長が直接対話が出来る機会があるというのは本当に良いことだと思います。東京から松山に帰って10年以上が経ちましたが、僕は松山の行政に対してなにも不満がない。すごく頑張ってくれている地域だと思います。
唯一のストレスは、どうせほとんどのゴミは全部一緒に燃やすのに、ゴミの分別、あんなに神経質にしなくてもええんじゃないのかなあ〜と(笑)。
以上、タウンミーティング初体験のご報告でした。