近年、この北条地区に都会や松山市街地から移住する個性的な人たちが増えています。
都市同様に自然を好み、舌と目の肥えた悦楽者たち。彼らは物の消費や取得に対する喜びよりも「生活をいかに楽しむか」ということに強い関心を持つアーティスティックな方々です。個性的な住まいを建て、ゆったりした時間を過ごせるこの地区は近年、ミュージシャンや陶芸家、写真家、画家、若手アーティストたちの文化の発信基地としても注目を集めています。
1985年から三部作として長期にわたりNHK総合テレビで全国放送されたドラマ「花へんろ」は、今僕が住むその松山市北条地区(旧風早町)の日常生活を描いた作品で、地方に住む人たちから見た「昭和」という時代の眺め、空気感を映し出した貴重な名作でした。昭和という時代の中に、「経済、文化、人情」がとても華やいだ北条の黄金時代があったことを、昨年ネットオークションで苦心して購入したこのドラマと原作本を読んで知りました。
しかし、そんな名ドラマを彩った北条地区のシンボル「鹿島」も(湘南の江ノ島にそっくりな小振りな島)、
1980年代まで多くの海水浴客や観光客で賑わっていましたが、もうここ10年程、「落石山肌崩落の恐れがある」とされ、島の周りの道は通行禁止になったまま放置されている状態。
年末に鹿島の通行禁止の場所をぐるりと全部回って見たところ、特に危険を感じる場所は、上に木がひっかかっている場所が2,3カ所。それ以外は落石もありませんでしたし、特に問題はないように感じました。砂のような小さな石が落ちて道の端に積もったような場所はありましたが、大きな落石で道がふさがれたりする場所はありませんでした。
「修復工事などということをしなくても砂を除けただけで充分今のままで通行できる。」「鹿島の市道を通行禁止にした理由にはっきりとしたデータや根拠がない。」「この10年以上、強い雨風台風でも落石して道がふさがれたりする事故がなかった鹿島の市道がもし危険だというのならば、たくさんの観光客が訪れていたのに先の大雨で全壊した愚陀仏庵は何だったのか?」「修復しなければ通ってはいけないというのならば早くどうにか修復をして欲しい。」「どこまで修復をすればいいのか?修復金額など住民には見当が付かない。まず行政がやるべきことではないのか。」
また、鹿島の渡船フェリー料金に関しても、「フェリー料金が高いので清掃作業のボランティアなどの人数、祭りの時に鹿島に渡る地元の婦人らの数が激減した。」「渡船料金を往復100円程度に値下げして、たくさんのお客さんに来てもらう方が得策だ。」「駐車場料金を取るならば500円にして、フェリー代を徴収しないようにすれば家族連れも多く来てくれる(現状は四人家族で来ると、大人二名600円+子供二名320円+駐車場610円=1530円)」「鹿島フェリーは年間3000万円程度の赤字が出ているが、ほぼ人件費。3000万という数字は他の無駄遣いの場所に比べればまだ大した額ではないが、もう少し努力ができるのではないか?」「現在フェリー乗り場は伊予鉄ケーターサービスさんが担当しているそうですが、地元の老人会や協議会で運営してもらう方がコスト的にもいいし、雇用の面でも助かるし、地元のことは地元でやるべきです。」そうおっしゃっていた地元の人がフェリー乗り場にいて。ごもっとも!と思いました。
これら地元の方々から上がった意見は先日松山市役所へ訪れ、ずべて担当の方々の耳に入れておきました。
これら地元の方々から上がった意見は先日松山市役所へ訪れ、ずべて担当の方々の耳に入れておきました。
今まで鹿島問題については大金がかかるためアンタッチャブルでした。職員の方々は「鹿島にお金を入れても回収できないのが理由だ」と言います。「フェリー料金を安くすると赤字が3000万から6000万になるだけだ。工事に数千万入れてもどうやって回収する?」と見るのではなく、もっと大きな観点から見て欲しいのです。北条を生き返らせることによって今後何十年にも渡って観光客が196号線を通ってしまなみ海道を走って帰ってもらえるとなると松山や愛媛には大きな経済効果がもたらされます。何よりも、松山城と道後温泉だけでなく松山にもう一つ大人の観光スポットが増えるわけですから。
鹿島はフェリーで3分で渡れる手頃な美しい島で、野生の鹿が出迎えてくれます。
頂上からの瀬戸内海の島々の眺めも最高なのですが、今観光客はほとんどいません。
頂上展望台↓
↓展望台からの眺め
ご先祖から受け継いだ地元の宝を10年近くどうすることも出来ないでいたのは不景気だけのせいではない気がします。ここ数年、旧北条市市街地、JR駅前はますます空き店舗が目立つようになり、ゴーストタウンのようです。鹿島の現状こそが今の北条を現しているように感じます。
まずは鹿島を復興させること。そうすれば、人の流れも変わるでしょうし、何よりも我々北条住民が自信を取り戻せる気がします。そのためにはフェリー料金の見直しや、島の整備、県内外から多くの人が集まってもらうためのアイデアや工夫も必要になってきます。
僕らの世代から下はすでにドラマ「花へんろ」を見たことがなく、鹿島が賑わっていた頃の景色を知りません。
観光客の皆様に美しい瀬戸内海沿いの道「国道196号線」やしまなみ海道を通っていただく流れを作ることは、196号線沿いに住む方々にとっても愛媛県全体にとっても今後大変重要なこと。そのためには「北条」という場所がとても重要な場所になってきます。
2009年5/23、朝日新聞朝刊の全国欄に嬉しい記事を見つけました。
「渥美清さんは私生活でも旅が好きで、特に好きだった場所は、瀬戸内海、愛媛県の鹿島だった」と書かれてありました。未だにファンの多い昭和のお正月映画の定番「男はつらいよ」の旅の原点が北条鹿島にあったのです。
渥美清さんが最も愛したこの「鹿島」という眠った宝物を磨いて町づくりの中心に据え、北条が一番輝いていた昭和のあの時代に原点回帰し、歴史、文化、経済、人情のバランスの取れた「輝く大人の町」を復活させたいですね。
瀬戸内に浮かぶ美しい島「鹿島」を中心にした文化、経済、夢の活性化に参加しませんか?
NPO「北条鹿島の風早社中」入会希望者はメールにて、kazahaya.syachu@gmail.com まで。
*氏名、*住所、*年齢、*職業、*連絡先パソコンのメールアドレスをご記入の上、 個人会員は年会費(1000円)、で誰でも入会できます。北条の活性化のための応援会員、活動に参加出来ない幽霊会員も大歓迎です。是非ご入会下さい。
*お振り込みの場合 愛媛銀行 北条支店 普通口座 3432730 「NPO北条鹿島の風」宛
年会費をいただいた方から会員登録をして本格始動の4月までに、会員証や規約、イベント情報、優待情報(将来的には会員は鹿島フェリーの料金無料化もしくは割引が出来ればいいなあ、、と考えてます)などを送付させていただきます。
北条鹿島を、あなたの心の故郷にしてください。