2011年1月26日水曜日

八章 残念な取り壊し

JR北条駅前の古い伊予鉄バスの待合所が1月30日(日)に老朽化のため取り壊されるそうです。



この建物がなくなれば駅前に昭和レトロっぽい建物は皆無です。残念に思い、熱心に写真を撮っているとこのウラに住む松浦さんとおっしゃるおじさんが「この待合室は昭和26年に建てられたこの辺では一番古い歴史の証人よ」と、いろいろ説明をしてくれました。


建物は伊予鉄道の所有で土地は隣町に住む地権者の土地だそうです。「ほんとは残して欲しいんじゃけど、こう古いとリフォーム料金も高いじゃろうから難しいじゃろなあ」とおじさん。


この待合所の中に、農家の納屋に眠っている昭和3、40年代まで使ってたテレビや冷蔵庫、扇風機などの家電製品をオブジェとして飾って、昭和の歌謡曲を小さなスピーカーから流し、町の懐かしい写真なんかも飾ってバスを利用するお年寄りにタイムマシンに乗って昭和に逆戻りしたような気分になって若返ってもらおう!と思っていた矢先の取り壊しの知らせでした。


建物を残すことは出来ないか市役所に問い合わせると、「文化財ではないし、歴史的な建造物としては中途半端な年代の建物だし、地元の住人がどうしても残して欲しいというような運動がない限りは無理でしょうな」と、、、。無念。


松浦さんのご実家はこの駅前で「風早自動車」という北条初のタクシー屋さんを営んでたそうで、昔の懐かしい写真を見せてくれました。昭和19年の写真。



アップで見てみると、お母さんにだっこされているこの赤ちゃんが松浦さんだそうです。




昭和19年と現在の北条駅前の写真、同じ角度から映したこの二枚の写真、比べて見てみると面白いです。駅舎や家の屋根の高さや角度が同じですね。



昔の写真はほんとタイムマシンです。地元の皆さんにこういう懐かしい写真をたくさんお借りして、駅内や駅前にいっぱい展示するのです。ゴーストタウンのような駅前に少しでも人の気配と笑顔を取り戻せるように、まずはこういう小さな石から積んで行こうと思います。