で、JR予讃線の急行(特急)が停車する駅で甲子園に出場したことがない唯一の駅が「北条駅」。
夏の甲子園の勝率、全国第一位の愛媛県。野球王国と呼ばれるこの県で、県大会ベスト8以上に進んだことのないチームが7チームだけあります。東予、大洲農、伊予農、愛大附属、新居浜南、伯方、そして北条高校。最近ではラグビー部や吹奏楽部が全国大会に出場してがんばっている県立の高校ですが、「甲子園」なんて文字は夢の又夢、という感じの普通の公立高校です。
しかし、そんな北条高校野球部にいま化学変化が起きています。松山商を全国大会で優勝に導いたあの澤田勝彦監督が野球部監督に就任したのです。
「古豪松山商の甲子園優勝監督が今更他の学校でユニフォームを着るべきではない」と反対意見も多い中、「私はやはり野球を通じての教育をしたい」と、澤田さんは現役監督を選びました。それも、無名の北条高校で。松山から通うのでなく、奥様と一緒に北条に引っ越してこられたことからも彼の本気度がわかります。
澤田監督いわく、「昨年北条に来て初めてこの野球部で感じたことは、これは野球部じゃなくて野球同好会じゃ。松山の子と比べると田舎の子は競争意識も足りない。松山商では当たり前のことが出来ない。けど、才能のある子はようけおる。これじゃもったいない。」と。
昨夜、「北条高校を甲子園に出場させる会」が某所にて行われました。
駒澤大学で共に汗を流した、ミスターレオこと、あの西武ライオンズの切り込み隊長、背番号7番、石毛宏典氏も友人代表でお見えになってました。
現役時代の逸話、野球論、人生観など、30分ばかりお話をお伺いしましたが、面白かったな〜。これまでにも何度か面識はありますが、石毛さんってほんとに人間的な魅力がある方。頭のいい方です。
澤田監督への僕からのお願い。マイクを握って大きな声で言いました。
「想像してみて下さい。失礼な言い方ですが、決して強くはないこの北条高校が、来年、もしくは再来年、愛媛大会を制し、明徳義塾を破り四国大会でも優勝し、甲子園出場が決まりました!という瞬間を。
北条は大いに沸きます。これが一番早い町の活性化。この町の皆さんはまた大きく自信を取り戻すでしょう。澤田監督、絶対また甲子園に行ってください。よろしくお願いします」と。
愛媛県立北条高校の今後をお楽しみに。
今週末から行われる高校野球四国大会。愛媛からは、これまた弱小の無名校だった県立小松高校が一位で初出場。下克上の秋、これまた楽しみです。