2011年9月20日火曜日

九十七章 価値観の違い

アメリカで活躍中の松山市出身のJAZZミュージシャン古佐小基史くんが東日本大震災のチャリティーコンサートのため帰省していたので、僕の担当するラジオ番組に出ていただき、余った時間、久しぶりにいろんな話をしました。彼とは学生時代一緒にコンサートをした音楽仲間でしたが、今ではすっかり僕は彼のファンです。

古佐小基史:(1971年生まれ。愛媛県松山市出身。アメリカ、カリフォルニア州サクラメント市近郊在住。 東京大学医学部保健学科卒業。東京大学ジャズ研究会に所属し、1992年からジャズギタリストとして活動。スイングジャーナル誌では「最も注目すべき若手ジャズギタリスト」として紹介される。 1997年渡米。クラシックギターの研鑽を積む。 1999年、ハープに転向。独学で演奏技術を習得し演奏活動を開始。2006年よりストックトンシンフォニー 主席ハーピスト。ソロリサイタル、イベントでの演奏活動多数。) 


彼曰く、


「鹿島は海外からの観光客を呼べる可能性が充分ある場所です。こんな場所アメリカにはないですから。鹿島だけでなく、愛媛はすごい観光資源をもっているのにとにかくプレゼンが下手。松山市が外国人向けに作成した観光用のビデオを見たけど思わず笑ってしまった。あれは観光PRビデオではなく、松山に住みませんか?という誘致ビデオに見えます。もっと、松山城ド〜ン!道後温泉がド〜ン!石鎚山がド〜ン!鹿島がド〜ン!とアップで映って、どこに行こうか迷うような、ハリウッドばりのエンターティメント的なビデオは作れないものでしょうか?最終的にこのビデオでいこうとジャッジする人にセンスがないとだめです。観光パンフレットもそう。知りたい情報が英語で何も書かれていない。松山に行きたくなるようなパンフレットじゃない。あれは英語がわかる誰かがちゃんと監修してるのでしょうか?松山市の人は姉妹都市がサクラメント市だとみんな知ってますけど、サクラメント市のほとんどの人は松山市のことを知らない。松山市の片思い状態です。もっとうまくPRすれば、たくさんの外国人を呼べるはずの町なのにもったいない」と。


そういえば今年の春、世界一の観光都市イタリアのベネチアから来た友人も、鹿島の渡船場から瀬戸内海を眺めながら彼と同じことを言ってました。


「松山にこんな美しい場所があるなんてすごいじゃない。地中海みたい。もっと世界に発信しないと!絶対ヨーロッパの人は瀬戸内海好きよ。もったいない、、、。」と。


TOKYOやKYOTOで満足しない海外の旅の上級者は、まだ手垢にまみれていない神聖な島「四国」を求め、先日、欧州ジオパークネットワーク会議で世界ジオパークに認定された室戸を訪れたついでに、室戸と対照的なやさしい北条の海を求める。


そのためには、それなりの器作りや宣伝も必要になります。ただし、本当に海外からの観光客に来て欲しいならばの話ですが。


日本人は美しい海より温泉、芸者ですが、ヨーロッパの人は温泉や酒盛りよりも景観美、リラックスできる場所のためにお金を使う人が多いんだそうです。価値観の違い。


さて、鹿島はどのくらい価値のある島なのでしょうか。